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余暇進秋季セミナーにおける警察庁齊藤敬之課長補佐 講話全文

2018年11月22日

余暇進が11月20日に開催した「平成30年度秋季セミナー」において、警察庁生活安全局保安課の齊藤敬之課長補佐が行政講話を行なった。

以下、その全文を掲載する。

ただいま御紹介にあずかりました警察庁保安課課長補佐の齊藤です。本年8月に着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、一般社団法人余暇環境整備推進協議会の平成30年度秋季セミナーにお招きいただき、ありがとうございます。業界の皆様には、平素から警察行政の各般にわたりまして、深い御理解と御協力を賜っているところであり、この場をお借りして御礼申し上げます。
また、本年9月に発生した北海道胆振東部地震に伴う電力不足による節電要請につきましても、迅速かつ真摯に対応していただき、改めて敬意を表する次第であります。
さて、本日はお時間をいただきましたので、ぱちんこ営業の健全化を進めていく上で特に必要であると考えていることを何点かお話をさせていただきます。

まず、ぱちんこへの依存防止対策についてお話しします。
ぱちんこを含むギャンブル等への依存問題については、現在社会から特に注目されている課題のーつと言えるのではないかと思います。この問題は、平成28年12月に成立したいわゆるIR推進法の審議において指摘されたほか、同法の附帯決議において、ぱちんこを含めたギャンブル等依存症への対策の強化が求められたところです。
こうした動きを受けて、平成28年12月に開催されたギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議においては、「幅広くギャンブル等依存症全般について、政府一体となって包括的な対策を推進する」とされ、同会議において、昨年3月に「ギャンブル等依存症対策の強化に関する論点整理」、また、昨年8月に「ギャンブル等依存症対策の強化について」が決定されました。さらに、本年10月には、ギャンブル等依存症対策基本法が施行され、ギャンブル等依存症対策に係る国、地方公共団体、そして営業者の皆様を含む関係事業者等の責務が明らかにされたところです。
関係閣僚会議での決定において、「出玉規制の基準等の見直し」、「営業所の管理者の業務として依存症対策を義務付け」等がぱちんこへの依存防止対策の課題として掲げられたこと等を踏まえ、本年2月、出玉規制の強化や管理者の業務への依存防止対策の追加等を内容とする風営適正化法施行規則及び遊技機規則の改正が行われました。
出玉規制の強化について申し上げますと、改正後の規則に適合した遊技機、いわゆる新規則機について、市場に流通している台数は限られていると承知しています。規則改正の趣旨を踏まえ、新規則機が早期に普及することが望ましいものと考えております。そのためには、遊技機製造業者の方々の御努カによるところが非常に大きいわけであり、我々としても、早期に新規則機が市場に流通するよう、注視してまいりたいと考えています。
また、管理者の業務への依存防止対策の追加については、現在、営業所で行われている各種の自主的な取組が、管理者の業務として法令上義務付けられたことをしっかりと認識していただきたいと思います。 営業所の管理者の皆様にあっては、
・ リカバリーサポート・ネットワークの営業所内外における周知
・ 自己申告・家族申告プログラムの導入
・ 過度な遊技を行わないよう客に対する注意喚起の実施
・ 18歳未満の者の営業所立入禁止の徹底
等のぱちんこへの依存防止対策を各営業所において確実に実施していただくようお願いします。例えば、自己申告・家族申告プログラムについては、現在約2,200店舗が導入していると承知しておりますが、同プログラムを導入していない店舗にあっては依存防止対策への取組姿勢が問われるということを認識していただきたいと思います。

風営適正化法施行規則等の改正の中身としては、このほか、
・ 出玉情報等を容易に確認できる遊技機に係る規格の追加
・ ぱちんこ遊技機への「設定」の導入
が挙げられます。このうち、「設定」の導入については、射幸性の更なる抑制に資するとともに、皆様の営業の自由度が高まり、結果としてくぎ曲げの抑制にも資するものと考えています。したがいまして、そのような中でなおくぎ曲げを行っている事案に対しては、とりわけ厳正に対処することとしております。 また、関係閣僚会議の決定では、今申し上げた風営適正化法施行規則等の改正以外にも、業界において取り組むべき各種課題が掲げられているところです。先ほど述べた、
・ リカバリーサポート・ネットワークの相談体制の強化及び機能拡充
・ ぱちんこ営業所における更なる依存症対策
・ 本人・家族申告によるアクセス制限の仕組みの拡充・普及
等の課題については、既に業界において積極的に取組を進めていただいていると承知しています。
「リカバリーサポート・ネットワークの相談体制の強化及び機能拡充」については、昨年11月から相談時間を延長するなどの措置を講じたと承知しています。また、ぱちんこ依存の問題を抱える本人及び家族に対する個別相談事業も継続的に行っていると承知しています。引き続き、業界を挙げての支援をお願いしたいと思います。
また、「ぱちんこ営業所における更なる依存症対策」については、ぱちんこへの依存防止対策の専門員として、営業所に「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」を配置する取組を開始し、これまでに約27,000人の方が同アドバイザーの講習を受講されたと承知しています。当面の目標は年内で30,000人のアドバイザー育成であると聞いておりますので、その目標に向けて尽カしていただきたいと思います。
さらに、「本人・家族申告によるアクセス制限の仕組みの拡充・普及」については、これまで遊技使用上限金額のみとしていた申告対象を遊技時間や遊技回数にも拡大したほか、新たに入店制限の仕組みを開始するとともに、本人の同意がある場合には家族からの申告に基づいて入店制限をする仕組みを導入したと承知しています。
このように、ぱちんこ業界において、ぱちんこへの依存防止対策に積極的に取り組んでいただいており、私どもとしても大変心強く感じております。
他方、関係閣僚会議での決定に掲げられた課題の中には、「業界の取組について評価・提言を行う第三者機関の設置」、「ぱちんこへの依存問題に詳しい専門医等の紹介」等、現在もその実現に向けて検討が進められているものもあります。
こうした検討中の課題についても、できる限り、早期に対策等を実現できるよう業界において必要な検討を実施していただくようお願いします。いつまでも検討中と言っていては、社会の理解が得られるとは思われないので、取組を着実に進めていただきたいと思います。

また、家族申告によるアクセス制限の実施については、昨年12月に開催された関係閣僚会議幹事会における申合せを踏まえ、本人の同意がない場合についても、家族からの申告を受け付けることをお願いしています。競馬等の公営競技においては、本人の同意がない場合でも家族からの申告により入場制限を行う取組を既に開始していると聞いております。このままですと、ぱちんこ業界の対応が遅いと評価されても仕方がない状況となってしまいます。速やかに実効ある取組を開始できるよう検討をお願いいたします。
加えて、営業所内におけるATMについて一言申し上げたいと思います。
営業所内におけるATMの設置については、従前より、依存問題の観点から懸念が指摘されているところです。営業所内のATMは、利用額の上限等が規制されているほか、ローンやクレジットカードの利用ができないものであると承知していますが,営業所内におけるATM設置の禁止やATMの撤去を求める指摘は、こうした利用制限が行われていることを踏まえた上でなされているものであり、営業所内におけるATMそのものについて世間から厳しい目で見られていると言えるのではないでしょうか。ギャンブル等依存症対策基本法において営業者にも明確に責務が課せられたことも踏まえ、ATM設置を禁止すべき、撤去すべきとの指摘にどう応えていくのか、営業所内のATMについて業界としてよく検討されるべきものと考えています。
以上、ぱちんこへの依存問題への対策についてお話ししてきましたが、先ほど申し上げたように、ギャンブル等依存症対策基本法には、関係事業者の責務が掲げられ、皆様を含む関係事業者は、その事業活動を行うに当たって、ギャンブル等依存症の発症、進行及び再発の防止に配慮するよう努めなければならないとされたところです。基本法においては、政府がギャンブル等依存症対策推進基本計画を策定することとなっており、皆様の取組もこの基本計画に盛り込まれることとなります。基本計画の中にどのような対策が掲げられているか、国民はしっかりと見ています。しかも、この基本計画は一回作って終わりではなく、少なくとも3年ごとに検討を加え、必要があると認めるときにはこれを変更することとされています。すなわち、関係事業者である皆様には、ぱちんこへの依存防止に係る取組の推進が絶えず検証されることとなるわけであります。皆様にあっては、これまでの取組を強化することはもとより、新たな取組についても積極的に検討していただきたいと思います。ぱちんこへの依存問題の解決に積極的に取り組むことが社会的に求められ注目もされていることを強く認識していただき、業界全体で真摯に対応していただきたいと思います。
加えて、基本法においては、毎年5月14日から同月20日までをギャンブル等依存症問題啓発週間と位置付けております。ぱちんこ業界に身を置かれている皆様が、この啓発週間においてどのような取組を行うかについても国民は注目しているところでありますので、ギャンブル等依存症問題に関する関心と理解を深めるという啓発週間の趣旨にふさわしい取組がなされるよう、現時点から検討を始めるようお願いいたします。
こうした取組の積み重ねが、ぱちんこへの依存問題の解決に寄与し、国民の理解を得るものとなることを期待しております。

次に、射幸性の抑制に向けた取組についてお話しします。
射幸性の抑制に向けた業界の取組として、遊技機製造業者団体が新たな遊技機基準を設け、平成27年6月、全日本遊技事業協同組合連合会が、新基準に該当しない遊技機の削減目標を定め、業界を挙げて、こうした遊技機の撤去に努めた結果、昨年12月を期限に定められていた削減目標値については、営業所全体としては、その目標を達成したとのことですが、「メーカー団体が特に高い射幸性を有すると区分した遊技機については、ホールはこれを優先的に撤去する」とした6団体合意のとおりには必ずしもなっておらず、むしろ、こうした遊技機を積極的に残そうとする動向さえ見られたとの話も聞いており、こうした点について非常に残念に感じています。
本年4月、全日遊連は、「特に高い射幸性を有すると区分した回胴式遊技機」について、来年1月31日までにその設置比率を15%以下とする削減目標を定めていたところ、先般、期限を延期することとしたと承知しております。
ぱちんこへの依存問題等により、ぱちんこ業界に対し、国民から厳しい視線が向けられる中、このように業界が自主的に決定した目標を先延ばしにすることは、ぱちんこ業界に対する信頼を損ないかねません。ぱちんこが国民の大衆娯楽として広く世の中から受け入れられるためにも、業界全体における真摯な取組を期待しています。

次に、遊技機の不正改造の絶無についてお話しします。
近年の不正改造の手口は、不正改造された主基板に他の遊技機から取り出した主基板ケースやかしめを組み合わせることで、主基板ケースやかしめに不正改造の痕跡を残さず、外見上不正改造の発見を難しくしたり、不正改造した遊技機の設置場所が変わっても当該遊技機の位置を特定するためにGPSを付加するといった事案や、払い出される遊技メダルを不正に増加させるため、払出しに係る信号を誤認識させる不正な基板を主基板に取り付けるといった事案が発生しているなど、ますます悪質巧妙化しています。このように悪質巧妙化している不正事案に対処するため、ぱちんこ営業者、遊技機製造業者という垣根を取り払い、事案の情報共有や有効な防止対策を業界全体で模索し、効果的な施策をより一層推進していただきたいと思います。
また、一般社団法人遊技産業健全化推進機構の活動については、もはや業界の健全化に欠かせないものと言っても過言ではないと思います。活動開始以来、立入検査店舗数が本年度の上半期までに2万7千店舗を超え、また、検査台数も約20万台を上回り、特に本年度上半期における検査の結果は良好であったと聞いております。これは、推進機構の活動が抑止効果という面で成果を挙げている証左だと思います。加えて、立入検査を独自に実施する団体等に対する助成事業や平成27年6月から実施されている遊技機性能調査についても、業界の健全化を進める上で、有意義な取組のーつであると考えています。このような推進機構の活動に対する業界の理解は徐々に深まってきていると感じる一方で、いまだに推進機構の活動に対する理解が低い関係者もいると聞いています。
推進機構の活動が効果的に行われるためには、推進機構に対する各営業所の理解が不可欠であります。遊技機の不正の減少は推進機構の活動がもたらす抑止効果の表れであることを認識していただき、引き続き、業界全体で推進機構の活動を支援するなど、不正改造の根絶を目指す気運を高めていただきたいと思います。警察といたしましても、今後とも、推進機構と積極的に連携しつつ、不正改造事犯に対しては、厳正な指導・取締りを推進してまいりたいと考えております。

次に遊技機の流通における業務の健全化についてお話しします。
遊技機の流通については、その過程において型式の同一性が担保される制度の構築と、その運用に関するルールの明文化として、遊技機製造業者団体において、「製造業者遊技機流通健全化要綱」等が制定され、その運用が開始されたと承知しています。同制度については、ぱちんこ営業者向けにマニュアルが策定され、各種研修等も行われるなど、業界における制度の理解も進んでいると聞いています。引き続き、遊技機の流通に携わる関係者が正しく制度を理解するよう、繰り返しの研修の機会を設けるなどの取組を継続していただくとともに、必要に応じて制度の更新も検討するなど、遊技機の流通における健全化を一層図っていただきたいと思います。
平成28年4月以降に販売された型式の遊技機については、部品交換の際、変更承認申請に係る保証書の担保として、遊技機の性能が検定機と同一かどうかの点検確認を遊技機製造業者等が一台一台実施することとなりました。また、遊技機の営業所への設置時や部品交換時に行う遊技くぎの点検確認は、これまで目視で行われていたところ、昨年4月以降に新台として設置されたぱちんこ遊技機については、目視による確認の補助として「くぎ確認シート」が使用されており、本年2月以降に型式試験申請されるぱちんこ遊技機については全ての遊技くぎを対象とした「くぎ確認シート」が使用されていると承知しています。こうした取組により確認の精度も向上し、遊技機流通の健全化も進むものと考えています。運用を通じて更に改善を進めていただくようお願いいたします。
新台、中古台に関わらず、それぞれの流通制度を厳格に運用することは、射幸性の適正管理につながるものであり、ぱちんこへの依存問題対策においても大きな意味を持つものであります。遊技機の信頼なくして業界の信頼はないということを改めて認識していただき、引き続きの取組をお願いしたいと思います。

最後に、ぱちんこ営業の在り方についてお話しします。
今回の規則改正では、出玉の下限規制を追加するなどしたところであり、ぱちんこの適度な射幸性を満たす遊技としての性格がより明確になったと考えています。また、業界においても、営業所が遊技客にとって手軽に遊べる娯楽の場となるよう取組を進める必要性について認識されているものと承知しています。
他方、公益財団法人日本生産性本部の「レジャー白書2018」によれば、平成29年中のぱちんこ遊技への参加人口は900万人と前年から減少している中、年間平均遊技回数が高い水準で推移していることなどに鑑みますと、いわゆるヘビーユーザーの割合はいまだ相当程度あるものと考えられるところです。
繰り返しになりますが、ギャンブル等依存症対策基本法の施行を受け、ぱちんこ業界の皆様には依存防止に係る取組について不断の強化が求められています。ぱちんこが健全な大衆娯楽として国民から認知されるためにも、業界が置かれている状況についてよく認識の上,今後の業界の在るべき姿を考えていただきたいと思います。
今後のぱちんこ業界の皆様の御努力に期待いたします。

結びに、貴協議会のますますの御発展と皆様方の御健勝、御多幸を祈念いたしまして、私の話を終わります。御静聴ありがとうございました。



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